電脳世界。それは、電子の海に広がる並行世界

自然と文明と魔力に溢れたこの世界には「仮想人種」と呼ばれる、

不可思議な力を持つヒト達が暮らしている。

仮想人種達は、その共有空間に独自の生活環境を作り

冒険家として世界を旅したり、商人として町で商売をしたり、

時には時間の流れに身を任せ、のんびりゆったりと暮らしている。

 

有する魔力は少ないが、優れた知識と技術を持つ亜人

強い魔力を持ち、動物や架空生物に似た姿をしている幻獣人

神と呼ばれ、二つの種族より強き力を有する謎多き霊神

 

亜人は文明を築き、幻獣人は自然を守り、霊神は世界を見つめる

三つの種族は、それぞれに確立した生活空間を作り、互いに干渉せず、

独特の文化を生み出して暮らしてきた。

 

 

だが、かつての時代

 

 

三つの種族は出会ってしまった。

考え方の違いから、亜人と幻獣人は反発しあい、抗争が起こった。

霊神はその状況を楽しみ、争いを駆り立てた。

やがて小さかった争いは、世界中を巻き込む戦争となってしまった。

 

 

争いは長きの間続いた。

その間、いくつものが失われ、たくさんの血が流れた。

 

 

しかし…

果てもない、悲しい戦いに終止符を打ったのは、亜人でも、幻獣人でも、霊神でもない、

世にも恐ろしい「バケモノ」であった。

 

突然世界に現れ始めた「バケモノ」

その名を「欠落(バグ)と言い、魔力を糧とし、世界を荒らし、人々を襲う。

長きに渡る戦いによって傷ついた仮想人種達の負の感情から生まれたそれは、

あっという間に世界中を埋め尽くし、電脳世界に崩壊の危機をもたらした。

その状況になってやっと、亜人と幻獣人と霊神は争う事を止め、

互いに手を取り合い、世界に巣食う欠落を退けた。

 

 

そして、戦争はほどなくして終結した。

 

 

現代、もう価値観の違いから争う者達はいない。

だが僅かではあるが、かつての戦争の影響は残っている。

平和になった

 

 

これは、不可思議な力が溢れる世界で起こる、

 

不思議なふしぎな、冒険の物語である。

 

 

〜『はじまりものがたり』より抜粋

-電脳世界-

【イーストアイランド】

電脳世界の東に位置する大陸。

冒険者ギルドや商業区が多く、世界各地から

人が集まってくる。

大陸の中心には発展した中心街があり、

旅人達の交流の場となっている。

【ノースアイランド】

電脳世界の北に位置する大陸。

一年を通して気温が低く、雪がよく降る。

山に囲まれた北側には亜人はほとんど住んで

おらず、古くから原始的な生活を続ける

幻獣人達が暮らしている。

【ウェストアイランド】

電脳世界の西に位置する大陸。

美しい自然が数多く残り、秘境と呼ばれる

地がたくさんある。

いくつもの国が大陸中に点在していて、

時に争いが起こることも。

【サウスアイランド】

電脳世界の南に位置する大陸。

一年を通して気温が高く、晴れの日が多い。

リゾート地や観光名所が多く、毎日のように

観光客が各地から訪れている。

大陸のほとんどが樹海で、よく雨が降る。


【センターサークル】

電脳世界の中心に位置する人工島。『コネクトタワー』と呼ばれる、人工知能を備えた巨大な

塔が建っている。仮想人種は原則、許可なくこの島に立ち入ることができない。

『始まりの亜人』という人物が住んでいた、という記録が残っているが…?